リスクへの対処法

商品先物取引は相場が上がるか下がるかという価格変動に常にさらされています。この価格変動は利益も生みますが損失(リスク)も同様に生み出します。そして、価格変動とは需給環境、気象動向、為替、経済、社会情勢といったものが複雑にからみあい、相場の予測は非常に難しいものです。もともと現物市場の保険つなぎの場としてのヘッジ市場として利用する分には先物の損失は現物の利益がカバーしてくれるので価格変動リスクを被ることはありませんが、資産運用の場として先物市場を利用する場合には市場動向の分析や過去のデータやチャートを分析して価格動向の予測を行うとともに価格変動に対するリスクの対処法を考える必要がでてきます。


 

損切り

投資に置いてこの損切りの考え方は必要不可欠です。この損切りは、例えば当初の相場観とは逆に相場が動いた場合、先行きの見通しを読み違えたと割り切り、損失覚悟の仕切決済を行なって自体をこれ以上悪くするのを防ぎ、次回のチャンスを待つという時考え方です。これは簡単に聞こえますが、当初は儲けるために取引をおこなったのに、それに反して損失を確定させることは非常に勇気がいり難しいことなのです。実際にポジションを持つと、自分の相場観と逆方向に相場が動いた場合でも、「一時的な反動だろう」と自分のポジションが可愛いいあまりに、そう思い込んでしまいがちなのです。しかし、因果玉(損計算となってしまっているため手仕舞いできないでいるポジション)を残さないためにも損切りする勇気を持たねばなりません。相場格言にも「見切り千両」「見切り百人力」という言葉があるほどです。

 

建玉縮小

建玉を一部分だけ手仕舞いにして、取引数量を縮小することでリスクを軽減させるという考え方です。当然利益も縮小してしまいますが、相場が思惑通りとなった場合には、当初の建玉より一部分だけ利食って、さらに相場が当たった場合、また利食うということを繰り返すことによって、当初のリスクが徐々に建玉を減少させることで利益を確保するとともに減って行きます。また、相場が外れた場合でも損切りと併用し建玉を減らすことでリスクを軽減させる方法もあります。

銘柄分散

見込み通りの値動きとならなかった場合や、値動きが乏しい場合などに動意づいている銘柄を取引に加えることで積極的に利益を狙っていくという考え方です穀物と貴金属など需給環境に関連のない商品や国際商品と国内ローカル商品と組み合わせることで価格変動リスクを分散することができます。この銘柄分散を行うことで相互にリスクとリターンを補完し合うことになり、追証もかかりにくくなるというメリットもあります。一般に単一の銘柄の取引の利益と損失の確率を2 分の1とすると銘柄を2つに分けることで、同時に損失となる確率は4分の1に減少します。同様に3つに分けると8分の1に、4つに分けると16分の1というように、確率は2の分散した数の乗数倍に比例して減少するためリスクを減らすことができるというわけです。しかし当然リスクが少なくなった分、利益も少なくなっていますので、長期的に相場を取引するためには建玉当初から銘柄分散をおこなってリスクを減少させながら、利益を狙うことが肝心となるでしょう。

 

両建

思惑に反して損計算になった建玉に対して、反対方向の建玉つまり、買いの場合は売り建玉、売りの場合は買い建玉をすることで売り建玉と買い建玉を同時に持ちます。この方法は、乱高下が激しく目先の相場に確信がもてないときなど、相場の様子を見たい場合によく行われます。このようなもみ合い相場でうまく建玉を外せれば当初の損失を回復することができるのですが、一方的な動きとなった場合、結局は買値と売値の損失値幅は相殺されて、まったく変わらないままとなりますので同限月での両建は建玉を外すタイミングが難しいのが難点といえます。また、限月をずらして両建を行うことによって、ある程度損失を食い止めたまま限月間の値ざや(スプレッド)を狙うこともできます。異なる市場間のさや取りはアービトラージ、関連性のある異商品間のさや取りはストラドルと呼びます。この方法では、さやの開く方向が思惑と逆に動けば損失となりますが、片建てに比べると売りと買いで相場変動は相殺されますので、リスクは減少するというわけです。
やはりリスクは少なくいきたい、というのが人情というものですよね。



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Last update:2018/2/16